第39回日本臨床リウマチ学会(浜松)報告記

2024年12月2日 リウマチセンター統括部長

石川 肇

2024年9月18日に突然、「リウマチセンターがシバタに統合される」ということが公表されました。県立病院の赤字削減のために、独立したリウマチ専門病院がなくなることはとても残念なことです。

そんなネガティブな気分の中、その鬱憤を晴らすべく11月30日、12月1日の両日、浜松で開催された第39回日本臨床リウマチ学会において、新潟県のリウマチセンターとしての全国レベルでのプレゼンスと実力を大いにアピールしてきました。

私と中川夏子先生(兵庫県立加古川医療センター)とで企画に携わったシンポジウム3「理想的なトータルマネジメントを行うチーム医療を目指して~望まれるチーム医療の輪!~」では、伊藤(聡)院長から「内科医と整形外科医とのタッグを組んだ理想のチーム医療」、吉川(きちかわ)主任看護師からは、「トータルマネジメントのコーディネーターとしての看護師の役割」についてお話しいただきました。また、シンポジウム5「リウマチ看護を極める~集い、語り合おう~」の大取りとして吉川看護師からは「リウマチ看護師の育成ポイント~モチベーションの向上と医師の協力を含めて~」のタイトルでの口演があり、他のケア看護師さんから大変注目されていました。

また、秦(はた)主任看護師による「看護師によるフットケア(胼胝・鶏眼処置)の実態調査(第2報)」、和田医長による「リウマチ手関節における手根骨圧潰の経年的検討」の口演も、学術的に高いレベルの発表でした。

新潟県が誇るリウマチセンターとして、リウマチ患者さんのために長年に亘って積み上げてきた実績とプライドを守り、全国レベルでの仕事を継続して行っていきたいと思います。

吉川主任看護師の発表の様子

新幹線の車窓より望む富士山

ホテル内のクリスマスツリーとバイオリンのオブジェ

懇親会会場(マイン シュロス)の様子

災害は忘れたころにやってくる

2024年7月に当院で落雷による停電がありました。採血の機械や電子カルテの電源が落ちてしまい、一時外来診療が中断してしまいました。皆様には大変ご迷惑をおかけしました。この反省を生かして、外来では停電時のマニュアルの見直しをおこないました。電気が通っていて当たり前の日常でしたが、今回の経験から災害への備えが重要と感じました。

中越地震からちょうど20年が経過しています。いざ災害が起こってしまった時、薬を中断しなければならない状況や災害時のストレス、環境の変化により、早期に症状の悪化がみられる可能性も考えられます。災害時に必ず薬を持ち出せるように、日頃から準備をしておくことはとても大切です。いつ起こるかわからない災害に備え、以下のことについて今一度確認していきましょう。

1.現在服用している薬の名前がわかりますか?

被災したために薬を取りに行けない、または交通がマヒして通院ができないなどが起きると予想されます。自分の薬がわかると対応できる可能性が高いので、日頃からお薬手帳を持参することやお薬手帳の内容を携帯電話に写真を撮って保存しておくことも大切です。

また、非常持ち出し袋の中に予備として1週間~10日分の薬を入れておくと安心です。新しく処方されたら、入れ替えるようにしてください。

2.日頃からご家族と避難経路や避難場所についても話し合っておくとよいでしょう。